TFAの組織診断を導入された事例をご紹介いたします。
企業情報 (ご回答者:代表取締役社長)
業種:機械設備設置工事
従業員数:~100名
・TFAの組織診断を導入された動機は何だったのでしょうか?
私自身、社長に就任して2年近く経ちましたが、自分なりに考えてやってきたことを社員がどう受け止めているか、また社員同士の連携がうまく取れているかどうか、組織診断という客観的な指標で確認してみたいと思いました。
・組織診断の結果を見ていかがでしたか?
当たり前のことですが、以心伝心は難しいのだなと痛感しました。私が「良かれと思って口出ししていないことの意図」がうまく伝わっていなかったり、「社員にも思っていることがあるのに私がうまく吸い上げられていなかった」などが報告書の「ビジョン共有」や「キャリア展望」(将来への希望を持てているかを示す項目)に表れていました。
当社は規模が小さく、ほぼ毎日顔を合わせているので、多くを語らずともよく分かり合えているという認識でしたが、明確な意思表示の必要性だったのだと感じました。
・組織診断後、どんなアクションを取られていますか?
組織診断のコンサルタントの方から優先的に対処すべき3つの課題として、「ビジョンの共有」、「既存手法の見直し」、「管理職のフォロー」を指摘され、現在改善に取り組んでいます。
① ビジョンの共有
耳が痛いところではありますが、主要な指標の中で「ビジョン共有」が最も低い結果でした。私自身が技術者のキャリアを歩み、当時から細かく指示されることを好まなかったため、「現場に任せる」方針を取り、社員全員に対する話す機会が少なかったことは否めません。信頼して任せること(=口出ししない)と、会社の方針を伝えないということは別の問題であることが数字としてはっきり出ました。
最初の取り組みとしては、私から全社員に話す機会を設け、現在の市況や自社の立ち位置、当社の目指す場所、提供したい価値、今後の戦略などを伝えました。1度で全ては伝わらないでしょうから、今後も定期的に話す機会を設けて少しずつでも浸透させていきたいと思っています。
② 既存手法の見直し
ビジョン共有と共に低かったのが新たなチャレンジを示す項目でした。
ベテラン技術者が多い当社は、業務がルーティーン化しているものが多く、新たな手法を取り入れることに対して消極的だったと思います。彼らが培ってきた経験という価値を失ってしまうという認識が前向きになれない原因でした。
ただ、このままでは生産性が上がらないだけでなく、自らの市場価値を下げてしまうことにも触れ、ベテラン技術者含む社員の同意を得て取り掛かっています。慣れ親しんだやり方を変えるには時間が必要なものもあるので、一気に改革ができないものについては、学習期間をしっかり確保しながら無理のない移行を目指しています。長い目でみて成長に繋げられるように皆で協力していきたいですね。
③ 管理職のフォロー
診断の結果、部門によって内容は異なりますが、管理職がそれぞれ不安を抱えていることが分かりました。個別に話す機会を設けてみると、現場が好きなのに管理中心になってモチベーションが下がっている者や、トラブルを抱え込んでしまい心理的なストレスを抱える者がいることがわかりました。
今回の診断結果から不安を抱えている領域があらかじめ特定できていましたので、おかげで本音を話してもらいやすくなっていました。普段私が「何か問題ある?」と聞いてもなかなかホンネは出てこないのですが(笑)
今回の組織診断の実施によって対処すべき内容が明確になったことは大きな収穫でした。
改善に取り組み始めてまだ数ヶ月ですが、次回の診断でどれだけの変化が結果にあらわれるか、今から楽しみです。